ボックスアート

11月に入って、無事に月末を乗り切れた中の人です。

このブログをご覧になってお気付きの方もいると思いますが、ヘッダーには8009号車と有名な函館の景観が描かれたイラストがあります。これを描いて下さったのはイラストレーターの西村慶明さんで、プラモデルのボックスアート用に製作されたものです。
市電イラストかく言う私も西村さんの画風が好きで、古くはコロタン文庫・国電大百科で見た挿絵のペン画イラストで大ファンになりました。ちょうど川合玉堂の作風を知った頃と重なっていたことも有り、緻密にディテールを描き込むペン画のタッチと、それに乗る水彩絵の具の淡い色合いに惚れ込み絵本やムック本を集めたものです。ですからボックスアートを描いて戴けるなら西村さんにお願いしようと思っていました。

そして今回の製品化に当たって念願が叶った訳ですが、この方面では有名な方ですから敷居が高いと思い、なかなかオファーできずにいました。それでもお世話になっている模型誌の編集さんが仲介して下さりイラスト製作のお仕事をお願いしたところ、西村さんも喜んで受けて下さったことから、この素晴しいイラストが描かれたという訳です。

ところで、プラモデルの箱に描かれるパッケージイラストは一般的に不透明絵の具を使ったガッシュ画が定番かと思います。これまで色々なボックスアートを見てきましたが、どれも絵の具を濃く塗り重ねて描かれたものが殆どです。しかし、レトロな雰囲気を見せる函館の街並みとそこに走る市電だからこそ、敢えてペン画と透明水彩画をブレンドした淡い色調で描く西村さんのタッチをイラストとして採用してみました。

そのイラストが載った製品ですが、ようやく発売の目途が立ってきました。順次、ホームページやブログでリリース時期をお知らせしますが、先ずは今回紹介しましたボックスアートから製品の雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。